規律と秩序、一貫性のない気分屋大統領トランプ氏、いつまでやるの?

 就任後7カ月を過ぎようとしているのに、トランプ政権は混迷の中にある。

 一番簡単と見られていて、夏休み前に決着を目指したオバマケア改革案は、議会上院での先の採決で否決されてしまった。

◎不支持率過去最高の61%、支持率はたったの33%

 35%と世界一高い法人税を一気に15%に減税するというトランプ政権の目玉の法人税改革プラン、国境調整税の断念とオバマケア改革案の挫折で、財源の目処が立たなくなり、もはやアメリカ国内で減税案が通るとは、まともな人では誰も考えていない状態だ。

 議会の上下両院で与党・共和党過半数を占めているのに、である。

 トランプ大統領の支持率は、キニピアック大が2日発表の世論調査結果によると、33%に落ち込み、歯止めがかかっていない。もちろん政権発足以来最低で、逆に不支持率は61%と、過去最高となった。

 このまま支持率低落が続くと、来年の中間選挙が厳しくなる。特に下院は、2年ごとに全員改選されるので、下院共和党議員の尻に火がつくのもほど遠くない。

 ロシアゲート疑惑のミュラー特別検察官の調査が進み、トランプ氏本人のいくつもの疑惑に真実性があり、となれば、共和党も一気に弾劾に舵を切るかもしれない。

◎新首席補佐官のケリー氏、人事権の一任を得る

 さてそうしたホワイトハウスの混乱を収めるべく、去る7月31日にトランプ大統領が首席補佐官として三顧の礼で迎えたジョン・ケリー氏の評判は、今のところすこぶるよい。

 トランプ大統領のいい加減さを閣僚として間近で見てきたケリー氏は、首席補佐官を引き受けるに当たって、ホワイトハウス人事権などの一任をトランプ大統領から得ることを条件にしていた。

 そしてケリー氏が就任して最初にやった人事が、スパイサー報道官の辞任とプリーバス首席補佐官の解任の原因を作ったスカラムッチ広報部長の解任だった。

◎問題はトランプ氏に規律と秩序がまるでないこと

 スパイサー報道官の後任のサンダース新報道官は、「クシュナー氏やバノン氏を含むホワイトハウスの高官も、直属の上司は大統領ではなくケリー氏となる」と明言し、全権掌握はトランプ氏も認めたものであることを確認した。

 権力闘争で混乱し、内部情報がダダ漏れで情報管理すらままならないホワイトハウスに規律と秩序をもたらすべく登用されたのがケリー氏で、サンダース新報道官の明言もその辺りを言っているのだが、問題なのは肝心のトランプ大統領本人に規律と秩序がまるでないことだ。

◎空気の読めない大統領

 思いつきでツイッターに次々と投稿する。例えばオバマケア改革法案が混迷していた時も、思い通りにならない共和党議員をあしざまに批判し、マケイン上院議員から「我々は大統領の部下ではない」と反論され、しかもそのマケイン上院議員の反対票1票でオバマケア改革法案は否決されてしまったことも、その一例だ。

 マケイン上院議員さえ賛成に回れば、他の共和党2議員の反対があっても、50対50の同数となり、上院議長を兼ねるペンス副大統領の賛成で可決となったのだ。

 ツイッターを通じて「軍はトランスジェンダーの入隊を認めないし、いかなる職務にも就かせない」とやったのが、7月26日だが、軍最高司令官ではあっても何の事前調整も無しの思いつきツイッターに、軍は黙殺している。

 ケリー新首席補佐官は、トランプ大統領のツイッターにも、目を光らせる役回りになっている。

◎トランプ大統領に「押し込め」は

 北朝鮮ならず者集団のICBM発射でのアメリカの対応でも、「戦争も辞せず」と言わんばかりの北朝鮮への強硬姿勢をツイートしたが、後からティラーソン国務長官は打ち消しの発表に追われた。

 さすがのケリー首席補佐官の光らせる「目」もかいくぐられれば、どうしようもない。

 主君に対する忠誠を絶対とする武家倫理が確立した江戸時代、不行跡の藩主を強制的に座敷牢に監禁し、引退させる「押し込め」があった。トランプ大統領にも、「押し込め」が必要なのではないか。

昨年の今日の日記:「エチオピア紀行(60):巨大なイチジクの木と無数の実;五輪柔道男子100キロ超級決勝の『残念』」